気付いたら多趣味でした

主にアイドルが大大大好きな女子大生が自由気ままに感想を語るブログとなっています。

俺節を観劇してきたお話

 

 

関ジャニ∞のメンバー7人のうち3人が舞台上演中ということで特に見たいものもなく、友達のためにチケを申し込み全滅した私…しかし、WSでゲネの映像を見てやっぱり行っておきたい…となった私は蜘蛛女のキスと俺節を天秤にかけて蜘蛛女のキスはやはり見た後にもやもやするかな(大学では演劇について学んだらもしています)、と思い俺節のチケットを探すことに。有難いことに譲って頂くことができ観劇してきました。

 

 

圧巻圧倒の言葉に尽きる舞台でした。3時間半という長丁場、あれに耐えられる体力と精神力は本当に尊敬の意でしかない。そしてカンパニーの雰囲気が最高に心地が良い。見てても仲が良く、良いものにしたいという気持ちが一番後ろの席まで伝わってきました。勿論、主役の安田章大(敬称略)がすごいのもあるけれど、周りの人たちも舞台が好きで楽しくて面白くて仕方ないんだなぁという印象。特に、ストリッパーの仲間達のやりとりが濃密すぎて笑いが止まらなかったです。(サイコーの褒め言葉です!)

 

ここからはネタバレなので見たい方だけ…!!

 

 

私は、コージが羨ましくて羨ましくて仕方なかった。気持ちがあるのに言葉に詰まると魂の声で歌えるコージの姿を目の前に複雑な気持ちと気持ちを代弁してくれるような気がしました。私も言葉にできない感情なんて山ほどあるし、それを言葉に出来なくて笑ってごまかしてきたことも沢山ある。相手顔色ばかり伺ってしまって結局自分の言いたいこと、やりたいことが言えないことがある自分を否定されているかのようだったけど、それって割とみんなあることなんだろうなぁ。それをまっすぐにピュアに「歌」と言う形で伝えているコージが羨ましかったです。

特に印象的だったシーンは青森から着てきたおばあちゃんがくれた背広をずっと大事にしてきたけど、デビューが決まってダサいから脱ぎなさいって先生に言われて…それを脱いだ時に「青森のおばあちゃん」も「故郷」も「オキナワ」も「テレサ」も全て置いてきた彼なりの責任とプライドを背負って、覚悟の上でデビューするのが目に見えました。コージは本当に周りを幸せにする力と優しさを持っているからこそ彼の夢を心から応援してくれる人が現れたと思う。だからデビューがデュエットを組む相手(行代)の踏み台だとしても「またそこから頑張れば良い」と言っていたし常に前向きな姿勢がグッときました。

その彼の良さでデビューがなくなっちゃって何もかも捨てたのにそれの代わりとなるものも得られなかった。だけどオキナワは彼のために曲を書いてくれて、テレサも駆けつけてくれてやっぱり彼は愛されてるんだな、って。良かったねコージ。土砂降りの中、ヤジとものが飛ぶ中、オキナワが書いた魂のこもった歌はテレサに宛てたものだったかもしれないけれど、私はオキナワに対してでもあったと思うし、支えてくれていた大野に対するものでもあったと思う。

「愛」ってめちゃくちゃ難しくて形にないものだから儚いのに、そのパワーは偉大なんだなって気付かされました。そして「夢」って自分で動かしていかなければいけないんだなぁって強く思いました。でも、両方手に入れるにはどっちかを捨てる覚悟がなきゃいけない現実も身に染みました。

 

すごく個人的な話になってしまうのですが、私も今夢と現実の狭間です。就職活動を終えて多分、周りの人からは良かったねと言えるような企業から内定を頂き私自身も客観的に見たらそこに行くべきところだと思うし、それなりの人生を生きることができると思います。しかし、私にはやっぱり大好きな演劇に関わりたいという夢があります。そしてもっと多くの人に映画やドラマだけではなく目の前で繰り広げられる世界を知ってもらいたいという夢もあります。演じることも好きだし、見ることも好き。ずっとずっと隣り合わせに生きていきたいっていう気持ちが日々大きくなります。でも、それで本当に幸せになれるのかな…という葛藤と迷いがあります。この話を見て、どっちを選択しても自分や誰かを傷つけることになるし、傷つける覚悟で究極の選択をこれからもし続けなければいけないんだなぁとさらに現実を突きつけられました。欲張りな自分からみたら、コージは格好いい。オキナワのいい奴加減が羨ましい。テレサの強さが羨ましい。出てくる人が全員羨ましい人物でした。

 

ここからは物語ではなく演出などの感想を端的に。

  1. 3時間半はやっぱり長い。見終わった後にグッタリするけど内容は濃かった。
  2. 信玄餅のシーンが好き。北国同士で盛り上がってるのに山梨って遮る間とセンスが好きすぎた。その後の信玄餅ポーーーイも笑えた。
  3. 舞台装置が豪華、さすがと言う感じ。プロジェクトマッピングっぽい感じと何回も舞台装置が入れ替わってる。お金あるなぁ
  4. テレサを抱く時のコージはやっぱり売春婦だった頃の躊躇いがあったのかな?あの周りの声の映像は彼の想像?優しく抱いてたのが印象的。コージの優しさが出てた。
  5. 北野波平の役どころが素敵すぎる。ああ言うコメディ要素が強い人を見るとかなり見やすくなる。
  6. 5.に加え、劇団新感線ぽかった
  7. 最後のヤジと物が飛ぶシーン。特に物が飛ぶシーンではヒヤヒヤした。あれって割とヤジの具現化だから普段の安田章大はああいう中で生きているのかなと考えたら胸が苦しくなった。そういう職業だからしょうがないけれど。
  8. からの大雨のなか歌うシーンは最強の演出方法だった。マイクも雨の音とか今にもマイクが壊れそうな音とかそういうのが臨場感あって良かった。役者としても気持ちが入るよね。あのコージが一番格好良かった
  9. 照明が強い。頭痛くなった

 

最後に…後何公演かも、大阪でやるかも知らないけれど全体の一体感が本当に良かったから怪我なく病気なく楽日まで頑張って頂きたいです。そして、5キロも痩せる意味がわかった。私から見てすんごい上目線だけど彼は魂を注ぎ込んでいます。その姿に少しでも心が打たれる人が、そして何か響くものがあれば嬉しいなぁと思いました。

 

 

p.s. ジャニーズの舞台は舞台初心者の方が多いから分かりやすい内容でやればいいのになって本気で思ってます。「マクベス」は1回じゃ理解できないしそもそも悲劇なのに喜劇と言われたりするし、「蜘蛛女のキス」も正直1回見ただけで汲み取れるものではないと思っています。だから例えば性的表現があると過剰反応する人がいるのが残念で仕方ないです。物語を理解しないで断片的に感想を述べている人がいると思うと役者が悲しみます…本当に。舞台の良さを、生の良さを多く知ってもらえる機会を作ってるんだからもっと分かりやすく、入門編をやって頂きたい!事務所さん!!!という小文字で書く伝わらないお願い。